2026年0月の記事一覧

借金は「悪」じゃない。再起への「最高の武器」に変える方法

こんにちは。コンサルタントの松本です。

皆様、心地よいゴールデンウィークを過ごされましたでしょうか。

私は大好きなサウナに入ったり、手間のかかる料理を作ったりと、心穏やかな時間を過ごすことができました。

しかし、リラックスした時間を過ごす中でも、ふと、仕事について考えるひとときもありました。

特に、「借金」の本質について深く考えていたのです。

これはまさしく職業病ですね。

 

学生の頃は「借金=悪」と教わってきましたが、事業再生の現場に身を置く今、多くの方が抱くこのイメージとは少し違う感覚を持ち始めています。

借金自体が悪いのではなく、大切なのは、その使い方に「計画性」と「柔軟な視点」があるかどうかだと感じています。

目先の資金不足を補うためだけの借入は事態を悪化させますが、明確な計画と、変化に対応できる柔軟性があれば、それは再起への心強い味方にもなり得ます。

 

これを病気の治療に例えるなら、借入は一時的な延命措置かもしれません。

しかし、猶予が「1か月」か「3年」かでは、その意味は劇的に変わります。

3年あれば、新たな治療法を探したり、抜本的な体質改善を図るチャンスが生まれるかもしれません。

ビジネスでも同じように、確保した猶予期間があるからこそ、私たちは次のステップを考え、行動に移すことが可能になります。

 

貴重な猶予期間を「希望」に変えるのが、数字合わせだけではない、「未来の計画」です。

この計画があって初めて、借金は「単なる負債」から、未来を切り開くための「再起への投資」へと進化するのです。

 

私は、融資を判断する金融機関の立場から、未来を共創するコンサルタントへと転身しました。

両方の視点を持つ私だからこそ、皆様に寄り添い、伴走者として全力でサポートしたいと願っています。

どのような未来を描くべきか、もしお一人で悩んでいらっしゃるなら、まずは私たちと一緒に、「未来の計画」を立てることから始めてみませんか。

 

− 松本 宰

「見えない不安」を「対応可能な課題」へ。第1回資金繰り表講座を開催しました

先日、第1回目となる「資金繰り表使い方講座」を開催しました。

初めての試みということもあり、何度もスライドの構成を練り直し、微調整を繰り返すなど、かなりの時間をかけて準備を進めてきました。

終了時の表情から(画面越しですが)、ご参加くださった方には満足していただけたのではないかな〜?と思っています。

 

なぜ「やり方」の前に「あり方」を話すのか

今回の講座で私が最も大切にしたのは、単なる「エクセルの入力方法」をお伝えすることではありません。

その前段としての、「なぜ、あなたの会社に資金繰り表が必要なのか」という本質的な部分です。

資金繰りが苦しくなると、「とにかくお金を借りなければ」と外ばかりに意識が向きがちな経営者の方も少なくありません。

そんな時にこそ、本当に大切なのは、ご自身の会社の足元の数字を正確に把握することです。

講座の前半では、資金繰り表の構成と読み方、そこから何を見出すべきかといった「財務の視点」を解説しました。

 

「利益が出ているのに、なぜか手元にお金がない」

「いつ、いくら足りなくなるのかが分からず、毎晩眠れない」

 

こうした漠然とした不安の正体は、数字が「見えていない」ことにあります。

霧の中を運転するのが怖いのと同じように、経営も先が見えないからこそ不安を感じるものです。

資金繰り表は、その霧を晴らすための「ヘッドライト」のような役割を果たします。

 

「これなら続けられる」という手応え

解説パートでは、弊社オリジナルの資金繰り表テンプレートを使って、実際に数字を入力しながら運用方法を解説していきました。

終了後、参加者の方からいただいた感想の中で何より嬉しかったのが、「この資金繰り表は直感的で、非常に使いやすいと感じた」というお言葉です。

資金繰り表を運用していくには、単に精緻であれば良いというものではなく、経営者や経理担当者が「これなら使い続けられる」と思えるシンプルさと実務へ活かせる即効性が不可欠で、このさじ加減にはいつも苦心しています。

私が試行錯誤して作り上げたツールが、参加していただいた方の心理的なハードルを下げられたとしたら、まさに苦労して作った甲斐があったというものです!

 

アセントリードの使命:中小企業を「守り、強くする」

アセントリードは、「中小企業を守り、強くする」というミッションを掲げています。

これまで数多くの現場で、経営者の皆様の苦悩に触れてきましたが、会社が倒産するかどうかを決定するのは「赤字」ではなく「資金の枯渇」です。

逆に言えば、資金繰りさえしっかりとコントロールできていれば、どんな苦境からでも立て直しのチャンスは巡ってきます。

私は、全ての中小企業に資金繰り表を活用してもらいたいと本気で願っています。

数字に振り回されるのではなく、数字を味方につけて、自信を持ってハンドルを握っていただきたいと思っています。

 

次回に向けて

今回の第1回講座を通じて、資金繰り表について基本的なことをお伝えする形が整ってきたと感じています。

この講座は、今後も継続的に開催していく予定です。

 

「数字は苦手だけど、そろそろどんぶり勘定を卒業したい」

「銀行に自信を持って説明できる資料を作りたい」

 

もしそう感じているなら、ぜひ次回の講座にご参加ください

貴社の未来を創る数字を考える、その第一歩にしていきましょう。

 

− 大村剛史



東京セミナー開催で気づいた3つのこと

先日、東京で経営者向けのセミナーを開催いたしました。

セミナー前日から東京へ出向き、様々な方とお会いすることも出来ました。

私自身、大人になって東京へ来たことがなかったので、とても刺激的な時間でした。

今回は、そんな非日常な時間の中で気づいた3つのことをお伝えさせていただきます。

 

1. AI時代だからこそ、「過去の経験」が武器になる

現在、ビジネス界はAIの話題で持ち切りです。

様々な業種の経営者たちも競って導入を進めていますが、実態は試行錯誤の連続で、決してすべてが順調というわけではありません。

そんな中で感じたことは、「AIが普及すればするほど、優良な情報は誰でも手に入れることが出来る」ということです。

だからこそ、その情報をどのように活用して意思決定を行うかは「過去の経験で培った勘」に左右されると思います。そして、過去の苦い失敗や成功体験こそが、AIには導き出せない独自の戦略を生む源泉になると信じています。

 

2. 企業の数だけ「固有の課題」がある

日本には、大小含め数え切れないほどの企業が存在します。

セミナーで各社のお話を伺う中で再認識したのは、「それぞれの企業にはそれぞれ個別の課題がある。」ということです。

「業界の常識」や「最新の経営手法」をそのまま当てはめようとしても、組織の風土や人間関係、地域の特性が違えば、解決策も自ずと変わります。

その会社にしかない固有の歴史と課題に深く潜り込み、オーダーメイドの答えを見つける。

その重要性を改めて強く感じました。

 

3. 「人との繋がり」の重要性

どれほどテクノロジーが進化し、効率化が進んだとしても、ビジネスの根幹にあるのは「人との繋がり」だと思います。

1つ目の気づきでもお話しましたが、私は「これからは過去の経験が武器になる。」と考えています。ですが、私が出来る経験は限られています。

だからこそ、様々な分野で活躍されている方々との意見交換がとても大切であり、その「繋がり」がとても重要だと考えています。

これからも、効率を追い求めるだけでなく、一人ひとりの経営者様とのご縁を大切にし、血の通ったサポートを続けていきたい。

そのように改めて誓った1日でした。

もし今、一人で資金繰りや経営の数字に悩み、「誰に相談していいか分からない」と感じているなら、ぜひ一度ご相談ください

画面越しでも、対面でも、私は社長との「出会い」を大切にし、「経営の伴走者」として、一緒に未来の数字を考えていきたいと思っています。

 

− 松本宰

東京でのセミナー、そして4年越しに「初めて」お会いした社長の話

1月の福岡に続き、先週は東京で「会社を守る財務戦略」セミナーを開催しました。

リアルでのセミナーですので話している途中でバチバチ目が合います。

とても集中して聞いていただけてることが伝わり、オンラインとはまた違った緊張感がありました。

そうした中にあって、今回の出張には、私にとって「もう一つ特別な、そして非常に嬉しい再会(?)」があったんです。

それは、かつてコンサルティングで関わらせていただいた、ある社長との出会いでした。


「はじめまして」なのに「懐かしい」不思議な感覚

その社長と最初に出会ったのは、コロナ禍真っ只中の2021年末のことです。

当時の会社は非常に厳しい資金繰りに直面していて、「リスケジュール(借入返済の猶予)」の支援がメインの案件だったんです。

 

当時は感染拡大防止のため、全ての打ち合わせがオンラインでした。画面越しに資金繰り表を突き合わせ、金融機関との交渉材料を整理する日々。どうすればこの苦境を脱して業績を改善できるのか、何度も何度も議論を重ねたことを今でも鮮明に覚えています。

リスケジュールにあたっては、金融機関との交渉をどのように進めればよいかを詳細にお伝えし、交渉の都度、報告をいただいては更なる対応を練る、という二人三脚の「伴走」を続けてきたわけですが、実は、実際にお会いするのは今回が初めてのことだったんです。

 

セミナー会場で社長の顔を見た瞬間、私は思わず「あ、社長!」と声を上げてしまいました。

「大村さん、やっと会えましたね」とにこやかな表情で話しかけていただき、「はじめまして」という言葉よりも先に、「懐かしいですね」という言葉が自然と溢れてきました。

 

数字の向こう側にある「4年間の歩み」

何より嬉しかったのは、あれから4年が経過し、「少しずつですが、改善できています」というお話を聞けたことでした。

リスケジュールは、あくまで「時間稼ぎ」に過ぎません。その間にどれだけ出血を止め、筋肉質な体質に変えていけるかが勝負です。

画面越しに一緒に悩んだあの日々から4年が経過しましたが、その間ずっと社長は努力し続けて少しずつでも報われてきているということが分かり、私はこの仕事をしていて本当に良かったと、胸が熱くなりました。

 

会社を守る「財務戦略」でお伝えした3つのテーマ

今回のセミナーでもお話ししたのですが、財務という領域は非常に広く、難しく捉えられがちです。そこで今回は、テーマを次の3つに絞って展開しました。

 

  • 経営計画: 「なりたい姿」を描き、それを具体的な数字に落とし込むこと

  • 資金繰り: お金の流れを可視化し、「いつ、いくら足りなくなるか」を予測して対策を打つこと

  • 金融機関との関係性: 普段から情報開示を行って信頼を構築すること、そして決算書のちょっとした見せ方のコツ

 

これらは独立しているのではなく、それぞれが繋がって「強い財務」を作っていくものです。

 

「成り行き経営」から、経営者がコントロールする経営へ

今の経営環境は、物価高騰や人件費の上昇、そして金利ある世界への移行など、激変の渦中にあります。これまでの延長線上で「なんとかなるだろう」と考える「成り行き経営」では、会社を維持していくことは難しくなっています。

大切なのは、経営者自らが数字を把握し、未来を予測し、主体的に数字を作っていく姿勢です。

「数字をコントロールする」というと難しく聞こえるかもしれません。
でも、あの社長のように、最悪の状況から一歩ずつ、計画を立て、銀行と向き合い、改善を進めていけば、必ず道は開けます!

 

最後に

オンラインの便利さは素晴らしいものですが、やはり対面で伝わる熱量や空気感に勝るものはないと改めて実感した一日でした。

 

もし今、一人で資金繰りや経営の数字に悩み、「誰に相談していいか分からない」と感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。画面越しでも、対面でも、私はあなたの「伴走者」として、一緒に未来の数字を考えていきたいと思っています。

 

− 大村剛史

「新米コンサルタントのつぶやき」

こんにちは、新人コンサルタントの松本です。

以前のコラムでも少しお話ししましたが、私は昨年まで地方の金融機関に勤めていました。

今回は、そんな前職での経験と、今のコンサルタントという仕事で感じた、ちょっとした視点の違いについて、お話しできればと思います。

 

この仕事を始めて特に心に響いた大きな違いは、キャッシュフローについての考え方です。

金融機関で営業マンとして働いていた時は、キャッシュフローといえば「利益 + 減価償却費」という、あくまで帳簿上の数字として捉えていました。

計算式上でプラスであれば、きっとその会社は安心なのだろうと、どこか画一的に考えていたんです。

 

ですが今では、当時の私がいかに現場のリアルな状況を深く理解できていなかったか、と少し恥ずかしい気持ちになります。

 

・売掛金の回収が数日でも遅れてしまう恐怖。

・在庫が積みあがって資金繰りが厳しくなる恐怖。

・税金の支払いで一気に預金が減る恐怖。

 

実際に経営の現場に入ってクライアントの社長様と打合せをしていく中で、計算式通りの預金なんて全く残らないという現実があることに気が付きました。

帳簿上は月末で締めることが多いので、売掛金の入金後に預金が多く計上されていることがよくあります。

でも実際は、「給与の支払いで一気に預金が減り、次の月末まで資金繰りに頭を悩ませる」といったご経験をお持ちの方も、少なくないのではないでしょうか。
前職のお客様がよく「資金繰りが厳しいねん。」と語っていた、その切実なお気持ちが、今では痛いほど理解できるようになりました。

 

現在は、決算書や試算表から客観的に分析する銀行員の視点に加え、お客様共に未来を考え、伴走するコンサルタントとしての視点

の視点から、より多角的に企業見できるようになりした

両方の視点を経験し、理解している私だからこそ、社長様の課題に寄り添い、一歩深く踏み込んだサポートをこれからもお届けしていきたいと考えています。

早期経営改善計画策定支援事業が大幅アップグレード

「経営が少し苦しくなってきたけれど、まだ銀行に相談するほどではないかな……」

そんなふうに、ひとりで悩みを抱え込んでいる経営者の方は少なくありません。

 

ですが、経営改善において最も大切なのは「適切なタイミング」です。

病気と同じように、重症化してから治療する(事業再生)よりも、ちょっとした違和感を覚えた段階で健康診断を受ける(早期改善)ほうが、コストも時間も圧倒的に少なくて済みます。

 

そんな「予防経営」を後押ししてくれる制度と言ってもいい「早期経営改善計画策定支援事業」が、2026年3月31日から大幅にアップグレードされました!

 

少し前のコラムで、この事業の利用者が急減しているという話題を取り上げましたが、中小企業庁としても「このままではいけない」と考えていたんですね。

私自身、この事業こそ中小企業にとって最も活用価値のある施策の一つだと思っていましたので、今回の見直しは純粋に嬉しいニュースです。

 

 

なぜ今、国は「増額」に踏み切ったのか?

今回のアップグレードで最も目を引くのは、補助上限額が大幅に引き上げられたことです。

なぜ、このタイミングで拡充されたのか?その意図はどこにあるのでしょうか?

 

一つは、せっかくの補助事業が十分に活用されていない現状から、より活用しやすい環境へ変えていきたいという意図があるでしょう。

ですが、それ以上にコロナ以降の環境変化があることは確かです。

ゼロゼロ融資の返済本格化、物価高騰、そして「金利のある世界」への突入。本当に色々と変わりすぎましたよね。

これまでと同じやり方では、利益が残りにくい構造に変わってしまったという、皆さんが直面している状況が背景としてあります。

国としては、「倒産が増えてから手を打つのでは遅すぎる。今のうちに、専門家と一緒に自社の数字をしっかり把握し、筋肉質な財務体質に作り変えてほしい」という、未来を見据えたサポートのメッセージを発信しているのだと私は解釈しました。

 

アップグレードされた3つの注目ポイント

今回の制度変更で、特に注目しているのは主に以下の3点です。

1. 補助上限額の引き上げで「深い」計画策定が可能に

補助上限が引き上げられたことで、これまで以上に時間をかけて、精度の高い計画を一緒に作ることが可能になりました。

単なる「数字の帳尻合わせ」ではなく、現状の徹底的な分析から、3年後、5年後のビジョンまでを具体化する「未来の羅針盤」を作る。そのための環境が整ったと言えます。

実は、私がこれまで携わった案件では全てのケースで原価割れでした。

計画作成にかけた時間に対して受け取れる補助金の額が少なすぎだったんです。

だからと言って適当に作ったのでは意味がないので社長からのヒアリング等にもかなりの時間を割いていました。

「この補助額では利用したくてもためらってしまうよね」というのが正直な気持ちだったんです。

そういった意味からも、補助上限額の引き上げは経営者と支援者の両方にとってメリットが大きいと言えると思います。

2. 「伴走支援」のさらなる強化

計画は「作って終わり」では意味がありません。

今回の拡充では、計画策定後のフォローアップ、つまり計画に対する進捗を確認して柔軟に軌道修正を行う伴走支援の重要性がより強調されています。

具体的にはこれまで年1回で2年間だったのが、年2回で3年間の支援が必要になりました。

支援する側にとっては負担が増えますが、経営者の立場から考えると、伴走支援の頻度が増えることで、作成した計画を常に意識しながら、変化に合わせて経営を進めていくことができる環境が整えられます。

伴走支援の拡充は私も「いいところを突いてきたな〜」と思いました。

3. 金融機関との「対話」の質を高める

補助金を使って専門家と計画を一緒に作ることは、銀行にとっても大きな安心材料になります。

「この社長は、外部の目を入れて自社の課題に真摯に向き合っている」とポジティブな見方をされるので、将来的な資金調達や条件交渉において、有利に働きます。

※ただし「早期経営改善計画策定支援事業」自体は、金融支援を前提としたものではありません。

 

早期経営改善計画策定支援事業は使うしかない!

私は15年以上、多くの現場を見てきましたが、「少しおかしいかな」という時に相談に来られる会社ほど、その後の成長スピードが早いです。

今回の制度拡充は、「どんぶり勘定では生き残れない」という国からの警鐘です。

まずは専門家と一緒に、自社の損益計算書(PL)だけでなく、貸借対照表(BS)やキャッシュフローの動きを客観的に見つめ直す機会をぜひ作ってください。

数字が見えると、不思議なほど「次にやるべきこと」が明確になりますし、経営者の漠然とした不安が小さくなります。自信も芽生えるはずです。

 

数字はあなたの夢を支える、心強い味方になる

財務は、決して経営者を縛るためのものではありません。むしろ、社長が思い描く「理想の未来」を実現するための強力な武器です。

「うちの会社でも使えるのか?」「具体的に何が変わるのか?」と少しでも気になった方は、ぜひアセントリードへお問い合わせください。

新しい制度を最大限に活用して、一緒に会社の未来を描いていきましょう。



「支払利息の急増」に立ち向かう財務戦略

もう1年以上前からになりますが「金利上昇」という言葉が一時期かなり話題になっていました。

 

つい先日、あるクライアントさんで決算確定前の12ヶ月分の試算表が揃った際、社長と一緒に数字を確認しながら、思わず二人で顔を見合わせてしまいました。

 

「支払利息、今までと比べても段違いに増えていますね……」

 

毎月予実績の確認をしているので増えていることは理解していましたが、改めて12ヶ月の数字を見ると、これまでの「当たり前」が通用しなくなった現実を思い知らされました。

 

わずか「1%」の重み

金利の上昇は、特に借入残高が多い中小企業にとって、想像以上に厳しい「逆風」となります。

財務指標の一つに「売上高支払利息率(売上高に対する支払利息の比率)」というものがあります。

中小企業は、売上高営業利益率(売上高に対する営業利益の比率)が全産業平均で3.3%(※中小企業実態基本調査令和6年度確報より)、会社によっては赤字という状況で必死に舵取りをされています。

そんな中で、この指標が1%を超えてくるとどうなるか。

「たった1%」と思うかもしれませんが、営業利益率2%の会社なら、「苦労して稼いだ利益の半分が、利息として消えていく」ことを意味します。

これまで以上に「利益が出にくい構造」へと変化しているということなんです。

「借りて投資」と「手持ちを活かす」

社長との話は、「今の借入水準はどう考えても多すぎる。一日でも早く返済を進められる体質になろう」という結論に至りました。

これまでは低金利でしたので、借入をして投資を行うことも比較的進めやすい時代でした。

しかし、これからは戦略を考える必要があります。

 

投資をするにしても借入金利以上の利益が見込めなければリスクを取ってまで投資をする意味がありません。

投資対効果の検討がより重要性を増します。

 

そしてもう一つは「今ある資産を、どれだけ効率よく売上に、さらに現預金に転換できるか」という視点です。

 

  • 倉庫に眠っている、現金化されていない在庫はないか?
  • 回収が数日遅れている、あるいは滞っている売掛金はないか?
  • 所有している設備や資産は、金利負担を上回る利益を生んでいるか?

 

資金調達や投資に対してこれまで以上にシビアな判断をし、まずは「筋肉質な財務体質」を作ること。

地味かもしれませんが、この「資産の効率化」こそが、金利上昇に負けない最強の防御策となります。

財務の見方も、これまでは損益計算書で利益だけ見ていればまずまずやっていけたかもしれませんが、これから(既にかなり前からですが)は貸借対照表もしっかり見る、両方を掛け合わせて見ることが必要です。

 

経営改善の「スピード」が、会社の寿命を決める

「少しでも早く業績を上げて利益体質にする。そして、借入の返済を一日でも早く進めていこう」

社長と話し合ったこの方針は、今のすべての中小企業に共通する課題です。

 

15年以上この仕事をしてきて痛感しているのは、「有事(実際に経営に支障が生じる状態)」に気付いてから動き出すのでは、遅すぎるということです。

「利息が去年より増えたな」とか「利益が出にくくなったな」と感じた瞬間は、まだ「経営に支障が生じるおそれ」の段階かもしれません。

しかし、その時こそが実は改善のチャンスです。

この段階なら、まだ選べる道が残っていますし、色んな手を打つことができます。

先日のコラムで書いたように国の補助金(早期経営改善計画策定支援事業など)を活用して、専門家と一緒に「未来の羅針盤」を作り直すことも可能です。

 

数字の先にある「安心」を創るために

金利上昇は、間違いなく経営のハードルを上げます。

しかし、帆の向きを変えれば、逆風の中でも船は進むことができます。

「数字を見る」ということは、決して自分を追い込むための作業ではありません。

むしろ、少し先を明るくして、安心してハンドルを握るための準備だと考えてください。

 

「うちの利息率は大丈夫だろうか?」

「借入を減らすために、まず何をすればいいのか?」 

というような不安に対して具体的に自社の資金繰りをどう改善すべきか知りたい方は、こちらの『資金繰り改善コンサルティング』をご覧ください

 

− 大村剛史

初めての現場訪問で得た一生モノの学び

こんにちは。新人コンサルタントの松本です。

今日は、私が初めて新規のお客様を訪問させていただいた時のお話をさせていただきます。

 

私が何よりも嬉しかったのは、入社からわずか2週間という早さで、新規のお客様の元へ同行させてもらえたことでした。

机上の空論ではなく、実際にお困りのお客様を訪問し、その悩みを聞かせていただけること。

それこそが、事業再生コンサルタントとして最も重要な学びであると感じることができました。

 

初めての現場で得た学びは、大きく分けて2つありました。

・前職(金融機関)の経験が即戦力になること

・お客様の人生に寄り添う「責任」の重さ

 

初めての現場で私は、自分自身のこれまでの経験が大きな武器になることを実感しました。

前職である金融機関での経験を活かし、複雑な明細や契約書から借入状況を瞬時に把握することが出来ました。

「そんなこと、自分でも分かっていなかった。すごいね」と言われたときは素直に嬉しかったです。

自分の専門性が、目の前のお客様にとって役に立った瞬間は、コンサルタントとして大きなやりがいへと繋がりました。

 

そして、面談の進め方や細かな一つとっても、非常に多くの学びがありました。

コンサルタントとして、お客様の明るい未来をどう形作っていくべきか。

その責任の重さを感じる一方で、最後まで伴走できることへの大きな喜びを感じたことを覚えています。

 

事業再生の世界は奥が深く、学ぶべきことは尽きません。

これからも日々、数多くのことを吸収し、専門性を磨き続けていきたいと考えています。

そして、これから出会うお客様のために役立てていきたいです。

数字で未来を創る「早期経営改善」の真価

最近、気になるデータを目にしました。
それは、国が費用を補助してくれる「早期経営改善計画策定支援事業」の利用者が急減しているという事実です。

今回は、このデータが示唆するリスクと、私たちがこの事業を「今こそ活用すべき」と強く確信している理由をお話しします。

※2026年3月31日から大幅にアップグレードされました。

 

申請件数の急減――経営環境は「楽」になったのか?

最新の統計(2025年度上半期)によると、早期経営改善計画の利用申請件数は228件で前年同期(450件)に比べて半分近くまで減少しています。

 

早期経営改善計画策定支援推移※中小企業活性化全国本部資料

 

コロナ禍は遠い昔の話となり、一見すると「危機を脱した」ように感じるかもしれません。
しかし、現実はどうでしょうか。物価高騰、深刻な人手不足、ゼロゼロ融資の本格的な返済。経営環境はむしろ、よりシビアな局面に移行しています。

それにもかかわらず利用者が減っているのは、そもそも経営者の方に認知されていないという問題があると感じています。

 

銀行の担当者も実はよく知らない?「もったいない」現状

実は、この「早期経営改善計画策定支援事業」について、金融機関の担当者に話を持っていっても「あまり詳しく知らない」「ピンときていない」という反応が返ってくることが少なくありません。

確かに、この事業の制度上、金融機関が積極的に進める必要を感じないのも分かるのですが、もったいないなと感じます。

経営者が自発的にこの制度を活用して、専門家と共に作成した「根拠のある計画書」を銀行に持参する。
このような主体的な行動が、担当者に「この社長は自社の課題を正しく把握し、本気で経営を良くしようとしている」というインパクトと信頼を与えることになるのです。

 

「どんぶり経営・成り行き経営」から卒業する

中小零細企業の多くは、「どんぶり経営」や、その場の状況に任せる「成り行き経営」に陥りがちです。

「通帳の残高があるから大丈夫」

「売上が上がればなんとかなる」

そうした感覚に頼った経営は、平時は通用しても、急激な環境変化には対応できません。

一度立ち止まって自社の課題を明確にし、今後のあるべき姿を「数字」で示すことができるかどうかが、会社の成長を左右する分かれ道となります。

数字で示すことで変わる3つのこと

  • 意思決定に迷いがなくなる: 感覚ではなく、データに基づいた判断ができるようになります。
  • 従業員の動きが変わる: 目標が数値化されることで、組織全体に共通の物差しが生まれます。
  • 資金調達がスムーズになる: 根拠のある計画書は、追加融資や条件変更の際の最強の武器になります。

 

早期経営改善計画は「攻めのための健康診断」

この制度を分かりやすく例えるとすると、「会社の人間ドック」です。

体の調子が悪くなってから病院に行くのは「再生支援(治療)」ですが、調子が良い時、もしくは少し違和感がある時に受けるのが「早期改善(予防)」です。
この制度を活用すれば、専門家への相談費用の2/3(最大25万円)を国が補助してくれます。

 

早期経営改善計画策定支援事業を利用することで、経営者の頭の中にある「ぼんやりとした不安」からやるべき事が明確になり、具体的な行動へと変わっていく姿を何度も見てきました。

 

次の一歩を踏み出すために

経営環境が激変する今、立ち止まっていることは相対的な後退を意味します。

「うちはまだ大丈夫」という過信を捨て、数字に基づいた「攻めの経営」へ舵を切る。
やろうと思った時がそのタイミングです。

 

「何から手をつければいいか分からない」「うちは対象になるのか?」といった気になることがあればアセントリードにご相談ください。

会社の未来を明るくするのは、数字への理解と、経営者自身の「変わりたい」という決意です。

 

自社の数字をどのように活用すればよいか知りたい方は、こちらの財務力向上コンサルティング』をご覧ください。


− 大村剛史

会社を守る財務戦略セミナー

今年から、オンラインだけでなくリアルでもセミナーを開催しています。

第一段として1月には福岡で開催しました。

引き続いて4月にセミナーを開催します。リアルです。花の都大東京です(古っ!)。

https://sub.ascentlead.co.jp/p/cVQ2H2HvQlEC

 

今回は、資金繰りがテーマではありますが、もう少し範囲を広く取って「財務戦略」セミナーとしました。

資金繰りをいかに回すか、安定させるか、という視点はもちろんのこととして、

それに加えて長期的な安定を見据えた「財務戦略」という視点からもお伝えしたいと考えています。

今回も、金融機関側から企業の見方や評価を踏まえて、会社としてはどうするべきかという点もお伝えします。

 

・借入金の返済が重く、キャッシュフローが苦しい

・資金繰り表の作り方や活用法がよくわからない

・銀行との交渉をスムーズに進めたい

・財務体質の強化とは具体的にどうすればいいのかわからない

 

このような方には特におすすめです。

 

日時 2026年4月17日(金)

場所 東京駅近辺

金額 3,000円

 

10名限定での少人数開催です。

興味をお持ちの方はお早めにお申し込みください。

 

詳細はこちらから

https://sub.ascentlead.co.jp/p/cVQ2H2HvQlEC