コラム

価格設定の奥深さ

広島市民球場跡地

広島にやって来ました。

数十年ぶりなので、打ち合わせの時間よりかなり早めに現地入りし、懐かしの広島市民球場跡地と原爆ドーム界隈をぶらぶらしています。

 

写真のように市民球場跡地はほぼ更地状態ですが、ライトスタンドの一部だけが残っています。

レフトではなくライトスタンドを残すあたりがファンに対する粋な計らいなのかも?

最後にカープを応援しに来た時にあの辺りに立って叫んでいたような気がして嬉しいです。

 

そして今回、原爆ドームのすぐ隣に最近オープンしたという「おりづるタワー」に行ってきました。

13階の屋上展望台からは広島の街並みを眺められるということで、入り口を入ったところで係の方に案内をしてもらいました。

ちなみに料金はいくらなのか聞いてみると。

展望台への入場料金は1,700円。折り鶴を壁伝いに投入するコーナーを利用するにはさらに500円。

 

一瞬たじろいでしまいました(笑)

 

我が家より低い階へ上がるのに1,700円とは・・・

正直なところ、どう考えても高すぎるとしか思えません。

「ちょっとお腹減ってるので、先にお昼食べてきます」

とわけの分からない受け答えをして、1階のカフェで「オコモコ丼」なるものを食べました。

お好み焼きが丼になったオリジナル丼です。

なるほど。

 

なかなか美味いと思いながらも、展望台へ上がるかどうするか考えます。

でも、せっかく来たんだから原爆ドームや街並みを上から見てみたいよな。

数十年ぶりに来たのに、1,700円ごときでうろたえてどうする!

 

結局、答えは決まっているのですが、自分を納得させる理由を考えているだけなんです。

懐かしの場所を巡りに来ているのに、ちょっと高いと思う程度で諦めるわけにはいかないのです。

 

というわけで、実際上がってみると思った以上に良かったです。

床や柱にヒノキを使っていて、上がった瞬間から木の香りが漂ってきます。

市民球場の跡地を上から見て、向こうには広島城も見えています。

すぐ西隣には原爆ドームが見下ろせるのですが、案外広島の人って原爆をタブー視する雰囲気はないんですね。

なんとなく、軽々しく触れてはいけないテーマかと思っていたのですが、係の人もカフェの店員さんも、「原爆ドームが上から眺められますよ」と明るく話すのを聞くと、拍子抜けする感覚があります。

 

それはさておき、結局13階の屋上展望台と12階のおりづる広場で1時間以上ゆっくりしてしまい、打ち合わせに猛ダッシュで向かうことになりました。

 

それにしても、改めて考えさせられるのはやはり価格設定の難しさです。

地上数百メートルであればまだしも、13階といういまどきどこにでもありそうな高さの展望台。

そんな場所にこの値付けを決定した人に、どれほどの勝算があったのか話を聞いてみたいです。

相当迷ったと思うんですよね。

 

観光客であれば高いと思いながらも上がってみるかもしれません。

確かに世界中から人が集まってくる場所です。

そして実際に上がってみると個人的にはすごく満足でした。

のんびり好きなので、展望台に上がると他の人の何倍も長く居座るタイプです。

とはいえ次回来ても上がるだろうか??

そして広島市民はこの価格には恐らく抵抗感をもつでしょう。

12階のおりづる広場も確かに楽しめるのですが、これがあるからまた来たいと思うだろうか?

それとも、人でごった返す状況を回避するためにあえてこの価格を付けているのだろうか?

案内してくれる人がやたら多かったのですが、雇用促進も兼ねているのだろうか?

等々、1階に降りてからいろんなことを考えてしまいました。

 

値付けって、もちろん売上が最も伸びる点を狙うわけですが、それ以外にも別の意図が隠れている場合もあるのかもしれないですね。

 

いや〜、奥深いです。

 

ー 大村剛史

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