コラム

「資金残高〇〇円を目指す!」は経営目標となり得るのか?

金策に走っている社長を見て、社員はどう思っているでしょうか?

「社長も大変だなあ」

「うちの会社、危ないんじゃないか?」

「会社潰れたら失業してしまうじゃないか!」

「だったら転職先探そう」

というのが通常です。

 

「何としてもこの会社を守らないといけないし、社長も大変そうだから、自分の金を貸してあげて、誰かからお金を借りてきて・・・」などと考える人は恐らく一人もいません。

 

それほどまでに社長と従業員の感覚は違います。感覚を合わせろというのは100%ムリです。

 

そこを少しでも社長の意に添うように動いてもらいたいと願って経営目標を作ります。

ところが、意味不明な目標を作ってしまうと・・・

 

 

資金繰りは経営目標にならない

 

その一つの例として、資金繰りと経営目標について書いていきます。

実はこのことは重要です。

そもそも目標は何のために立てるのか?というところまで遡って考えてみる必要があります。

 

では、話を戻して。

早速ですが、タイトルの疑問形に対してストレートに答えます。

資金残高〇〇円を目指す!」は経営目標になりません!

 

以前勤めていた会社で、実際に「〇〇年までに現預金残高を〇〇円にする」という目標が発表されたことがあります。

その瞬間、何とも言えない違和感を覚えました。

そのお金をどう使うの?という質問をしても回答がありません。

ただ貯金したいだけ?

これでは通帳を見てニヤニヤしている人と同じです。

他にも疑問は湧き出るばかり。

そして下した判定は、「こんなものは会社全体の目標になるわけがない!」でした。

 

 

資金繰りが経営目標にならない理由

 

1.資金を気にするのは社長の仕事

従業員が「今月売掛回収が〇〇円あって、でも借入の返済が〇〇円あるから資金残高は・・・」などと考えるでしょうか?

資金繰りは社長の仕事だから、どうしても資金が足りない時に金策に走るのです。

社長の仕事である資金のことを会社の目標に設定してどうなるのでしょう?

従業員にとっては、その目標達成のためにどうすればいいのかが見えてこないので動けません。

 

2.資金残高を増やす方法はいろいろある

極端な話、目標の達成期日に不足分をどこかから借りてくれば目標達成です。

あるいは工場を売り払ってお金に変えれば目標達成です。

これで、従業員はどう頑張ればいいのでしょう?

頑張らなくても目標達成できるのなら、、、多分誰も頑張らないと思います。

 

3.そもそも目標は全社員の努力で成し遂げるもの

目標達成には全社員の「努力」が必要です。

従業員の成果を直接的に図ることができるのは売上・粗利・経費です。それらの結果としての損益です。

資金残高は、成果とは別の要素によって大きく変わります。

売上が伸びていても資金繰りが厳しくなることもあれば、赤字なのに資金繰りが楽になることもあります。

締日支払日等ちょっとしたタイミングのズレで大きく変わってくるのです。

努力の結果として直接的に得られる成果を目標に設定しておかないと、従業員は何をどれだけ努力すればいいのか分かりません。

 

ということで、もう一度繰り返します。

 

 

「資金残高〇〇円を目指す!」は経営目標にはなりません。

 

資金残高については社長自身の心の安定のために、自分の心の中にとどめておけばいいのです。

 

一度自社の目標を見直してみてください。

本当に全社員で目指していけるものになっているでしょうか?

 

 

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- 大村剛史

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