コラム

電源ボタンを数秒間押すという決断

龍神村へ行ってきました。場所はよく分かっていないのですが、村の中でも奥の方だったと思います。

龍神温泉は日本三大美人の湯と言われているらしく、浸かってみると体がぬるっとした感触になります。男なので美人になりたいとは思っていませんが、素晴らしい感触でずっと浸かっていたい気分でした。

露天風呂から眺める景色は最高で、満天の星空とはまさにこのことです。月もきれいで、都会で暮らしていると忘れてしまっていることの多さに気付かされます。

料理も絶品で、海の幸から山の幸までたらふく食べさせてもらいました。

これでまた太りました(笑)

 

これだけのんびりできると、日頃の疲れも取れるし、精神的にもリセットされてフル充電です。

こんな田舎でのんびり。

聞こえてくるのは川のせせらぎのみ。

誰にも邪魔されることはない・・・・

と思っていたら、そんなことはありませんでした。

 

スマホのアンテナが立っているじゃないですか!

 

 

現代はどこに行っても繋がりっぱなし

 

今の時代、電波はどこまでも追いかけてきているんですね。

幸い電話がかかってくることはなかったのですが、その気になれば誰とでも電話できるしメールのやりとりもできる。

何の支障もなく仕事ができます。

 

世の中便利になればなるほど、それを享受しようと思えば思うほど、自分一人の時間が失われていく。

 

このことは、今回のような状況でなくてもあてはまる、とても重要なことだと思います。

仕事の場面を考えてみてください。

打ち合わせをしていても携帯が鳴って中座する。

戻ってくると、途中でぶち切られた話を再構築しなければなりません。

ひどい時には何の話をしていたのか思い出すところからやりなおしです。

こういうことが一度ならず二度三度と続くのです。

 

 

世の中は中断のリスクであふれている

 

考えてみると、昔はコミュニケーションを取る手段はせいぜい固定電話でした。それが、携帯電話に始まり、電子メール、インスタントメッセージ、SNS等々。際限なく広がっています。

こうした新たな手段によって仕事は絶えず中断のリスクに晒されています。

ある研究によるとこうした中断によって仕事の効率は20〜40%も低下しているそうです。

 

この日、一緒に宿泊した方と話している時、こんな話になりました。

「これを断ち切るには決断が必要ですね」

「決断だけじゃダメなんですよ」

「いや、スマホの電源ボタンを数秒間押すだけのことです」

 

たったこれだけで鎖のようなつながりから開放されるのですが、なかなかできません。

実際、私もこの数秒間押すという、たったそれだけの行為をしませんでした。

 

でも、こうした時代だからこそ決断が必要かもしれません。

 

本当に心を解放してリセットしたい時。

仕事中に誰にも邪魔されずに集中しないといけない時。

 

決断しないとこういうことができないっていうのも寂しい話ですね。

 

− 大村剛史

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