まず、結論からお伝えします。
令和5年度の実績データでは、全体の売上高に対する接待交際費の平均は0.3%でした。
ただし、売上が小さい会社ほど比率は高くなります。
- 全体(法人企業)の平均:売上の 0.3%
- 売上規模別:500万円以下 3.2%/〜1千万円 1.7%/〜1億円 1.0%/〜5億円 0.7%/10億円超 0.1%
- 目安:年商8,000万円の会社なら、年間約80万円(月に約6.7万円)が平均的な水準です。
平均より多くても、悪いとは限りません。大切なのは、会社の利益と資金繰りの範囲で予算を決め、毎月振り返ることです。(出典:中小企業庁「中小企業実態基本調査」令和5年度決算実績・法人企業)
数ある勘定科目の中で、その会社の特徴が表れやすい科目の一つが接待交際費だと思います。
私も数多く決算書や試算表を見てきましたが、企業によって金額の大小が極端に違います。
割と豪快で、接待をしながら仕事を取ってくるというタイプの社長は、当然ながら交際費はかなりの金額に上ります。
一方で、あまり使わない社長は毎月数千円という金額しか計上していない、という会社もよく見かけます。
この場で何度も書いていることですが、社長の背負う責任の重さを考えた時に、交際費を一切使わず仙人のように生きることを推奨するつもりはありません。
むしろ時々息抜きをしながら、仕事に100%の力を発揮できるようにしたほうがいいと思っています。
あとは、会社の利益と資金繰りとの兼ね合いですね。
人間は弱いもので、一度楽しい思いをするとなかなかやめられません。
交際費をバンバン使って楽しい夜を過ごす経験をしてしまうと、なかなかやめられないものです。
例え資金繰りが厳しくなったとしても、我慢するには強い意志を必要とします。
でも、考えてみてください。
交際費としての予算は○円と決めていても、平気でオーバーしてしまう。
それにもかかわらず従業員には売上目標を達成しろと尻を叩く。
何かおかしいと思いませんか?
予算をオーバーして使ってしまえば、当然ながらオーバーした金額分だけ利益を圧迫します。
それを取り返すには、粗利率20%の企業であればオーバーした金額の5倍の売上が必要です。けっこう大変です。
結局は、いかに自制を効かせられるかにかかってきます。
会社の状況がいい時でも悪い時でも、ちゃんと状況を理解したうえで使う・使わないの判断をする。
流れに任せて使い続け、使いすぎた分は売上でカバーしようなどという考えは甘えだと思います。
ある意味自分を納得させるための言い訳にしかなっていません。
その証拠に、こういうことを言い続けてグダグダになった会社をいくつも見てきました。
結局、交際費についても予算を決めてその範囲内で使う。
毎月必ず振り返りをする。
ということを継続するしかありません。
予実績管理の重要性はここにあります。
では、どれくらいまでならよくて、どれくらいなら使いすぎなのか?
これには、その会社の考え方次第という面があるので一概には言えないのですが、世間一般の平均ではどの程度なのか、という比較対象があると参考にできると思います。
下の表は、平成25年度(2013年度)の実績です。最新の令和5年度の数字は、後半の【2026年最新追記】をご覧ください。
業種別の交際費比率の平均
中小企業庁が毎年統計資料として出している、中小企業実態基本調査の平成25年度決算実績を元に私が集計した表です。
これを見ると、産業によって若干のばらつきはありますが、全体としては売上高の0.3%になっています。
建設業と学術研究、専門・技術サービス業は若干比率が高めですが、これは私の実感としても同じです。
売上規模が小さい企業ほど、交際費の割合は大きい傾向にあります。これも当然といえば当然ですね。
ご自身の会社と比べてみてください。
もう一度言いますが、自制を効かせて、理解したうえで使うことが重要です。
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【2026年最新追記】近年の交際費比率の動向
2026年4月時点の最新版である中小企業実態基本調査 令和5年度決算実績を元に集計した表です。
平成25年度決算実績から10年が経過し、全体の平均は0.3%と変わっていませんが、売上が小さい会社ほど比率が上がっています(売上500万円以下:2.3% → 3.2%)。
令和5年度時点ではコロナウイルス感染拡大が終息して経済の需要回復に加えて、ロシアのウクライナ侵攻で供給不足が起こり原油・天然ガス・穀物の価格が上昇しました。急激な円安で輸入品の価格上昇が本格化したのもこの頃からでした。
このように現在に続く物価上昇が既に起こっていたのが令和5年度です。
そうしたことが交際費率の上昇に影響を与えているのではないかと推測されます。
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- 大村剛史






