資金繰り不安への最も有効な対処法

早いもので10月も終わりに近づいています。

今年も残すところ2ヶ月。時のたつのがあまりに早くて、おじいさんになるのもあっという間だなという気がしてきました。

 

今年も2ヶ月ということは、10回月末を乗り切ってきたということです。

何が言いたいか、お分かりですね?

 

資金繰りです。

 

中小零細企業の社長は、今年すでに10回資金繰りをきちんと回してきた。

余裕であれギリギリであれ、それなりに気になるのが資金繰りです。

会社の命運を握るのは資金なのですから、当たり前です。

このあたりがサラリーマンとは決定的に違う点ですね。

 

というわけで今回は、資金繰り不安への対処法、それも最も有効な対処法について。

資金繰り改善は、我々のメインテーマの一つなのですが、これを知って実践すれば、漠然とした資金繰りの不安から解放されます。

 

 

資金繰り不安に対処するただ1つの方法

 

資金繰りの不安に対処する最も有効な方法はただ1つ、ズバリ早めに手を打つこと!

これに勝るものはありません。

 

もう8年ほど前のことですが、対処が遅すぎて倒産したクライアントさんがありました。いわゆる闇金に手を出して2か月後には倒産。

私が初めて伺った時には、既にその月の資金繰りが回らない。

手形ジャンプの交渉に行ってもその取引先からは相手にされない。

社内を見てみると、社長は営業部門からも経理部門からも相手にされていない。

 

状況把握のため経理部門に行って打ち合わせを続けていると、実は裏できちんと資金繰り表を作っていたんです。

社長に反発して出していなかっただけだった。。。

 

何度も打ち合わせを続けてやっと気持ちが通じた頃には、もう時すでに遅し。

先ほどの通り、いつの間にか闇金に手を出していて、あっという間に倒産。

最後は一緒に弁護士事務所へ伺いましたが、その時の社長の表情は今でも忘れられません。

 

もう一つ。

 

数年前から伺っているクライアントさんです。

資金繰り表を付けろと銀行に言われたものの、どう付ければいいのか分からないというレベルでした。

付け方も分からなければ、活用方法も分かるはずがありません。

毎月実績の確認、月末の予測、ざっくりした予定の検討を続け、様々な取り組みを進めた結果、徐々に資金繰りが安定してきました。

今となっては、「何があってもこれ(資金繰り表を付けること)だけは続ける」とおっしゃっています。

ある程度の予測がつくので気持ちの余裕が全然違うのです。

 

 

資金繰りを管理する順序

 

資金繰りについて考えるとき、まずは現時点での現預金残高を把握すること。

ここが出発点です。これが分からなければ動きようがないですよね。

 

次に、数か月先までの予定を検討する。

今月末までだと期間が短かすぎます。数か月先まで検討することで、早めの対策に移すことができます。

 

最後に、行動する

とにかく早めに動くことです。切羽詰まってからだと緊急度が高いわりに取れる手段はかなり限られます。そのくせ効果はなかなか出ないので効率が非常に悪いです。

 

 

資金繰りの不安に対処する最も有効な方法はただ1つ、早めに手を打つこと!

「なんだ、それだけか」と思われた方、早めに手は打てていますか?

具体的な手法について知ろうとする前に、このことを意識するだけで全く変わってきます。

 

今回あえて「資金繰り表を付けましょう」とは言いません。早めに対策を打ちましょう!

 

資金繰りの改善・安定化はアセントリードにとってメインテーマの一つです。

ぜひご相談ください

 

資金繰り表を無料でダウンロードできます

 

- 大村剛史

会社の数字を未来へ生かす

数字のことはよく分からないから、売上しか見ない、試算表はざっと確認するだけ、というようなことになっていませんか?

気持ちは分かるのですが、せっかくいろんな情報を与えてくれているのにもったいないと思います。

 

 

過去・現在の会社数字を未来へ生かしていく

 

「未来へ生かす」ということができると、望む利益を確実に手にすることができる!

とまでは言い切れませんが、そのための道筋を示してくれるのは間違いありません。

なぜなら、過去の実績とそこから得た現状の把握を元にして、未来のシミュレーションをすることで会社は成長できるからです。

 

元々は、私もこの効果についてあまり気にしていませんでした。

しかし、どうしても今期の目標を達成させたいという意欲を持った社長と打ち合わせをしていく中で、シミュレーションがとても大きな効果をもたらすことに気付いたのです。

そして、既存の会計理論ではその要求を満たすことはできないということにも気づきました。

 

 

シミュレーションの必要性と効果

 

1.試算表からは過去の実績しか分からない

社長としては、その確認だけのために時間を割くのはムダだと思ってしまいますよね?

過去の実績を読み解き、当初の思惑から何がずれているのか、何が問題なのか、を探るということがとても重要です。それが今後の取組を考える材料になるからです。

しかし、現実的には会計の知識がある程度ないと難しいかもしれません。

せめて、予算と実績の差異の確認だけでもするといろんなものが見えてきます。

 

2.シミュレーションをする以外に着地予想はできない

既存の理論は経費や利益率など過去の実績数字だけを元にして計算します。

この場合の問題点は、「今までの流れのままでいけば」これだけの売上が必要だ、という前提条件が付いてくるということです。

現実は、過去の結果を踏まえてどうするか、を検討したら今後の流れは当然変わるはずです。

しかも売上高・利益率・経費が毎月一定ということはあり得ません。

結局、これがこうなったら・・・、ここをこうしたら・・・、とシミュレーションする以外に社長が腑に落ちる未来予測はできないのです。

 

3.シミュレーションがモチベーションの向上に繋がる

ただ単に、「このままいけばこうなります」という情報では「ああそうですか」で終わってしまいます。

そうではなく、「望む利益を手にするために○○をしよう」という取組みを検討し、その予想結果を数字に置き換えてシミュレーションをすることに意義があります。

それによって狙った利益が獲得できる!ということが分かると、俄然やる気になるというのは誰でもイメージができると思います。

取組みが成功しても狙い通りの結果になるかどうかわからない。

それだと「本当にやるだけの価値があるのか?」という疑心暗鬼が生まれてしまうのです。

 

 

このように、過去の実績と現状の把握から、「今後の取組を見直して」、それをシミュレーションに反映することで会社は成長できるのです。

 

それによって、あなたには狙った利益を確実に手にするための道筋が見えるようになります。

 

シミュレーションの必要性の2つ目に書いたことですが、これをするには何らかのテンプレートがあったほうがやりやすいです。というより、そういうものがないと現実的にはなかなか難しいと思います。

現在、このシミュレーションを簡単に行うことができるツールを作っています。ツールが完成したらこの場で発表しますので、ぜひチェックしてください。

 

 

- 大村剛史

【2026年最新】接待交際費は売上の何%が適正? その目安と活用法

数ある勘定科目の中で、その会社の特徴が表れやすい科目の一つが接待交際費だと思います。

私も数多く決算書や試算表を見てきましたが、企業によって金額の大小が極端に違います。

割と豪快で、接待をしながら仕事を取ってくるというタイプの社長は、当然ながら交際費はかなりの金額に上ります。

一方で、あまり使わない社長は毎月数千円という金額しか計上していない、という会社もよく見かけます。

 

この場で何度も書いていることですが、社長の背負う責任の重さを考えた時に、交際費を一切使わず仙人のように生きることを推奨するつもりはありません。

むしろ時々息抜きをしながら、仕事に100%の力を発揮できるようにしたほうがいいと思っています。

 

あとは、会社の利益と資金繰りとの兼ね合いですね。

 

 

 

人間は弱いもので、一度楽しい思いをするとなかなかやめられません。

交際費をバンバン使って楽しい夜を過ごす経験をしてしまうと、なかなかやめられないものです。

例え資金繰りが厳しくなったとしても、我慢するには強い意志を必要とします。

 

でも、考えてみてください。

交際費としての予算は○円と決めていても、平気でオーバーしてしまう。

それにもかかわらず従業員には売上目標を達成しろと尻を叩く。

何かおかしいと思いませんか?

 

予算をオーバーして使ってしまえば、当然ながらオーバーした金額分だけ利益を圧迫します。

それを取り返すには、粗利率20%の企業であればオーバーした金額の5倍の売上が必要です。けっこう大変です。

 

結局は、いかに自制を効かせられるかにかかってきます。

会社の状況がいい時でも悪い時でも、ちゃんと状況を理解したうえで使う・使わないの判断をする。

 

流れに任せて使い続け、使いすぎた分は売上でカバーしようなどという考えは甘えだと思います。

ある意味自分を納得させるための言い訳にしかなっていません。

その証拠に、こういうことを言い続けてグダグダになった会社をいくつも見てきました。

 

結局、交際費についても予算を決めてその範囲内で使う。

毎月必ず振り返りをする。

ということを継続するしかありません。

予実績管理の重要性はここにあります。

 

では、どれくらいまでならよくて、どれくらいなら使いすぎなのか?

これには、その会社の考え方次第という面があるので一概には言えないのですが、世間一般の平均ではどの程度なのか、という比較対象があると参考にできると思います。

 

下の表は、中小企業は売上高に対して何パーセントを交際費に使っているのか、まとめてみたものです。

 

中小企業庁が毎年統計資料として出している、中小企業実態基本調査の平成25年度決算実績を元に私が集計した表です。

これを見ると、産業によって若干のばらつきはありますが、全体としては売上高の0.3%になっています。

建設業と学術研究、専門・技術サービス業は若干比率が高めですが、これは私の実感としても同じです。

売上規模が小さい企業ほど、交際費の割合は大きい傾向にあります。これも当然といえば当然ですね。

 

ご自身の会社と比べてみてください。

 

もう一度言いますが、自制を効かせて、理解したうえで使うことが重要です。

 

 

【2026年最新追記】近年の交際費比率の動向

2026年4月時点の最新版である中小企業実態基本調査 令和5年度決算実績を元に集計した表です。

 

 

 

平成25年度決算実績から10年が経過し、全体の傾向としては交際費率は若干上昇しているようです。

令和5年度時点ではコロナウイルス感染拡大が終息して経済の需要回復に加えて、ロシアのウクライナ侵攻で供給不足が起こり原油・天然ガス・穀物の価格が上昇しました。急激な円安で輸入品の価格上昇が本格化したのもこの頃からでした。

このように現在に続く物価上昇が既に起こっていたのが令和5年度です。

そうしたことが交際費率の上昇に影響を与えているのではないかと推測されます。

 

 

自社の経費とキャッシュフローを可視化する『資金繰り表』エクセルファイルを無料で差し上げています。

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自社の数字をどのように活用すればよいか知りたい方は、こちらの『財務力向上コンサルティング』をご覧ください。

 

- 大村剛史

 

赤字を認識した時の対処法

赤字にすると融資が受けられなくなるから、在庫の額を調整して黒字にしましょう

税理士先生にこう言われて見かけ上黒字決算を続けてきました。

気付いた時には在庫は実際の10倍程度にまで膨らんでいます。

徐々に融資を受ける頻度が増え、毎月の返済額が膨らみ続けていきます。

こうして社長自身も、「そろそろ本当にまずい」という認識を持つのですが、その時には何をどうすればよいのか打ち手が見えない。

 

赤字継続企業の典型的な例です。

 

多くの経営者が間違っているのですが、赤字をごまかして黒字に見せかけるという安易な考えは捨て去るべきです(一切の決算対策をするなと言っているわけではありません)。

安易な道を選ぶと必ずしっぺ返しを受けます。

 

 

粉飾決算によって資金繰りが受けるダメージは大きい

 

無理矢理黒字決算にすることで、資金繰りにはいくつもの悪影響を与えることになります。

・本来払う必要のない法人税を納めることになる

・翌期以降に繰越欠損を使って法人税の納付額を低く抑えるという特典が使えない

 

そして、赤字である上にこのように資金が出ていくわけですから、新たな借り入れをしなければ!ということになります。

それによって、

・毎月の元金返済額が増える(証書借入の場合)

・支払利息が増える

 

赤字であるということは、通常手持ち資金を取り崩しながら借入返済を進めている状態になります。

そこへ更に支払利息が増えるのです。

 

こういう借入はその場しのぎとしか言いようがありません。

 

融資を受けてから数か月間、気分が楽になるのですが、その後さらに痛みがひどくなります。

これを繰り返すと、最終的に取り返しのつかないところまで行ってしまうことになります。

 

かつてのクライアントで、究極的な例があります。

年商2億円で、7千万円の純損失。

銀行には噓をつき続けた結果、借入金の額は5億円まで膨らんでいました。

毎月の支払利息は約200万円。

まるで利息を支払うために仕事をしているような感覚になってきます。

大口の注文が取れました! これで利息が払えます! でも、、なんだか虚しい。

という感じです。

「よくぞここまで銀行からお金引っ張ってきたね」とねぎらいの言葉をかけてあげたくもなりますが、そんなことを言ってる間に倒産です。

 

極端な例でしたが、考え方・やり方を間違えるとこういうことになる(かもしれない)のです。

 

 

赤字への対処法に裏技はない

 

ではどうするか?

・赤字だと認識したら、覚悟を決めて真剣に黒字転換のための取組みを進める

・タイミングの問題はありますが、今や完全に市民権を得ているリスケジュールに取組む

 

リスケジュールに取組むと返済額を抑えることになるので、ある意味返済額分の融資を毎月受けているのと同じです。

通常は新規融資が受けられなくなりますが、それを恐れている場合ではないのです。

他にも技術的なことを挙げることはできますが、いずれにしても覚悟を決めなければなりません。

 

こういう状況に陥らないためにも、普段から財務状況を把握し、早め早めに手を打つことが必要なのです。

ちゃんと見ていれば、兆候は必ず見つけられます。

 

 

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- 大村剛史