こんにちは。コンサルタントの松本です。
最近では、後継者がいないことをきっかけに、事業をたたんでしまう会社が増えているというニュースを聞くことが増えました。
このようなニュースを聞くと、「事業を継ぐ人がいない」という話をイメージされる方が多いと思います。
ですが、こうしたニュースを見るたびに、私は少し違う側面が気になります。
それは、社長に万が一のことがあった時、会社が動かなくなってしまうということです。
〇「社長が動けなくなったとき」のリスク
こうした倒産の背景には、代表者の方の急な病気やご逝去があるケースも少なくないと言われています。
業績が悪いから事業が続けられないというより、社長が動けなくなったことをきっかけに事業が止まってしまうということです。
特に規模の小さな会社ほど、判断も情報も社長一人に集まりやすいと感じます。
そうなると、立て直す時間もないまま、事業を閉じる選択に至ってしまうこともあるのではないでしょうか。
〇「社長の頭の中」にしかない情報はありませんか?
経営者の皆様は、日々の判断の中で数多くの情報を頭の中に持っておられます。
たとえば、次のようなものです。
・取引先ごとの支払条件や回収条件
・毎月の支払日と、資金が厳しい時の支払優先順位
・借入の返済予定と残高、返済用口座
・「あの件は○○さんに聞けば分かる」という人間関係
どれも、社長からすると当たり前のことだと思います。
ですが、社長がいない時にこれらを説明できる方は、社内に何名いらっしゃいますか?
〇金融機関で経験した「代表者交代」
私が金融機関で担当していた企業で、社長が逝去され、代表者交代の手続きを行った経験があります。
その企業では、以前から代表者の体調が優れない状態が続いていました。
口には出されなくても、その時が近いことは周りから見て明らかでした。
そのため、財務に関することは、ほとんど準備が済んでいました。
それでも、実際にその時が来ると、数日間は会社全体が止まりました。
準備をしていたおかげで、事業の停止を数日間に抑えることができたのだと思います。
この経験から、私が感じたことは2つあります。
・どれだけ準備をしていても、いざという時にスムーズに進めることは難しいこと
・準備をしていないと、大きな損害が発生する可能性があること
〇債権者の立場から見えていたこと
金融機関の担当者として、代表者の方が体調を崩され、返済が滞ってしまう場面にも遭遇したことがあります。
これは、とても大変なものでした。
個人情報や企業情報の保護の観点から、ご親族や従業員の方に、こちらから自由に声をかけることはできません。
一方で、返済が滞れば、会社の信用に影響します。
緊急事態であることは理解できても、債権者の立場からすれば、お金が返ってこないという事実は変わらないからです。
つまり、社長に何かあった時に困るのは、ご家族や従業員の方だけではありません。お取引先や、お金を貸している側も同じです。
だからこそ、「誰が窓口になるのか」が決まっていることには、大きな意味があると思います。
〇今日からできる、社長の「もしも」への備え
難しいことは必要ありません。
次の4つから始めてみてください。
- 頭の中にある情報を、紙1枚に書き出す(支払条件、支払日、返済予定、返済用口座、連絡先など)
- 後継者、または右腕となる方を決める
- その方に、書き出した内容を共有する
- 年に1回、見直す
「うちは後継者が決まっていないから」とお感じの方も、まずは右腕となる方からで構いません。
承継の形は、親族、社内、第三者など様々です。
どの道を選ぶとしても、会社の数字や取引条件が整理されていれば、話は進めやすくなります。
この準備は、社長ご自身のためだけのものではありません。
ご家族や従業員の方、日頃お付き合いのある取引先、そして金融機関にとっても、大きな安心材料になります。
「元気な今だからこそ」整えておく。
それこそが、会社を守る一番の備えなのではないでしょうか。
もし、何から手をつければよいか分からない、どのように整理すればよいか迷われているようでしたら、ぜひ一度私たちにご相談ください。
社長の頭の中にある「会社のお金の流れ」を一緒に確認し、もしもの時にも揺るがない体制づくりを、最後まで伴走してサポートいたします。



